日本選手権を振り返って

 第93回日本陸上競技選手権大会が終了した。

 大会を通じて感じたのは、日本短距離界に「新たな風」が吹いているということだ。つまり、「若手の台頭」である。

 その代表格といえるのが、2日目の女子200mで23秒00の日本新記録を樹立した福島千里である。彼女はこれで100m・200m共に世界選手権参加標準記録Aを突破したことになり、世界選手権の短距離代表に選ばれた。100m決勝は左脚つけ根に張りが出たため棄権をしたが、予選・準決勝と11秒3台を連発していた。
 私が見た限りではあるが、彼女の走りはまだ改善の余地がありそうである。以前まで遠い夢のように思えた日本人女子による100m10秒台はすぐ近くのところまで来ているように思える。

 次に、最終日の男子100mを優勝した江里口匡史である。彼は準決勝で追い風1.9mの中、日本歴代4位となる10秒07をマークした。ここ数年10秒0台を出す日本人選手がいなかっただけに、若干20歳の若者がこの記録を出したことは非常に期待が持てる。予選で10秒09をマークした塚原直貴、2日目の男子200mを20秒22で優勝した高平慎士とともにこれからの日本男子短距離界を牽引していってほしいものである。

 男子400m決勝では、出場者8名中7名が大学生であったし、女子400mでは、東大阪大学敬愛高校の新宮美歩が4位に入り、世界選手権女子4×400mR代表に選ばれた。

 若手の台頭は、日本短距離界はもちろんのこと日本陸上競技界にとって、好ましいことであるのは間違いない。ベテラン勢そして他種目の選手もこれに刺激を受けて、いろんな側面で互いに切磋琢磨し、競技レベルを引き上げていってほしいものだ。

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日本女子短距離界の新時代

 2009年6月7日。この日鳥取県立布勢総合運動公園で行われた布勢リレーカーニバルの女子100mで、福島千里(北海道ハイテクAC)が予選は11秒28、決勝では11秒24と日本新記録を連発し、今年8月にベルリンで行われる世界選手権参加標準記録Aを突破した。

 私は早くから福島に注目していた。たまたま読んだ陸上競技専門誌に彼女の記事が写真付きで掲載されていたのだ。その時彼女は高校2年生。彼女の走りを直接見たこともなかったのだが、その記事に載っている彼女の走っている姿を見て、いい動きをしている「予感」がしたのだ。

 だが、その頃は同い年の高橋萌木子(平成国際大学)が日本高校女子短距離界のスーパースターであった。史上初のインターハイ女子100m3連覇、そして100m・200mの両方で日本ジュニア記録・日本高校記録更新。福島は高校時代、高橋に全く歯が立たなかった。

 そんな2人の立場が逆転し始めたのは2008年からのこと。福島は4月28日に開催された織田記念女子100mで日本タイ記録となる11秒36をマークし、北京オリンピックの参加標準記録Bを突破した。以後も日本選手権と南部記念でそれぞれ女子100mを制し、女子100mとして実に56年ぶりのオリンピック代表に選出された。オリンピックは1次予選敗退に終わったが、その後もスーパー陸上の女子100mを制し、充実したシーズンを送った。

 2009年に入っても、福島の勢いは止まらない。5月3日に開催された静岡国際女子200mで23秒12の日本新記録を樹立。そして6月7日の布施リレーカーニバルでの100m日本新記録樹立へと繋がる。

 ただ、立場が逆転されたとはいえ、高橋も黙っているわけではない。福島が日本記録を樹立している裏で、高橋も好記録を連発しているのだ。2009年静岡国際女子200mでは、後半怒涛の追い上げを見せて23秒13をマークして福島に肉薄。2009年布施リレーカーニバル100m決勝でも、後半怒涛の追い上げを見せて11秒32をマーク、世界選手権参加標準記録Bを突破した。高橋の記録も以前の日本記録を更新している。

 福島千里と高橋萌木子。2人は若くして、日本女子短距離界を牽引している。日本女子短距離界は男子と比べて世界トップレベルに全く太刀打ちできていなかった。この2人の活躍は、日本女子短距離界が世界トップレベルに近づけるかの大きなポイントとなるだろう。2人が大きな故障をせず、順調に行ってくれることを祈るばかりである。

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きっかけを与える

 最近、1年生部員に技術練習を直接指導することがある。その際に思うのは、「万能な指導方法はない」ということである。別の言い方をすると、みんなが必ずすぐに100mのタイムが0.5秒速くなる練習方法なんてありえないということである。

 もちろん、みんなにとってより効果的な練習方法を私も日々考えているのだが、全員がすぐに一定の割合で向上させられる練習方法はそう簡単に生み出せるものではない。そんな方法が生み出せれば、一大発見になる。

 私は、速く走るための答えはそう多くないと考えている。走りにおいて、走る本人が相手にするのは、主に地面反力と重力である。この2つは基本的に変化しないものであるため、速く走るためにやるべきこと、つまり答えは自ずと限られてくるのである。ただ、その答えにたどり着く方法・きっかけは非常に多いとも考えている。 

 ある走りにおける重要な動き「X」を身体で理解させるために、「α(アルファ)」「β(ベータ)」「δ(デルタ)」3つの練習方法を選手たちにさせるとする。するとA選手は「α」で「X」をより理解できた。しかしB選手は「β」で「X」をより理解できた。またD選手は「δ」で「X」をより理解できた。人によってものの感じ方が違うわけであり、こういうことはよくある。

 こういうこともある。ある日、A選手は「α」で「X」をより理解できたとする。ところが数日後、A選手は「β」で「X」をより理解できた。そのまた数日後、A選手は「δ」で「X」をより理解できた。日によってその人の感じ方も変わったりすることがあるのだ。

 スポーツを指導する上で大事なことの1つとして、「きっかけを多く与えること」があると考えている。「α」だけでなく「β」「δ」も教えて、「X」へと導く道を増やすことが重要なのだ。

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久々の母校

 またもや久々の更新になってしまった。前の記事にも書いた通り、ゴールデンウィーク中は陸上競技三昧で、ブログを更新する元気もなかった。

 ただ、この時期を通じて、教え子たちが順調に成長しているのを確認できたので、それはとてもよかった。

 今週火曜日、母校の中学校の練習を見に行った。

 以前は年にかなりの回数で母校へ足を運んでいたが、ここ2、3年は年に数回しか行けなくなっていた。

 私の在籍時代とは学校自体、そして周辺地域も大きく変わってしまっているが、グラウンドを見渡すと妙に落ち着く私がそこにいた。

 母校のグラウンドに立つ度に、がむしゃらに練習に打ち込んでた自分を思い出す。今思えば、中学時代、私はいい意味でも悪い意味でもがむしゃらになって練習に打ち込んでいた。今の自分なら意味がないと思えるような練習内容も先生にわざわざ志願してこなしていた。

 あのがむしゃらにやっていた時代があったからこそ、今やっている理論的指導に行き着いたのかなと思う。

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忙しい日々

 久々のブログ更新となった。

 4月に入り、私の環境は大きく変化した。それへの対応に追われ、ブログを更新する余裕が全くなかったのだ。

 忙しいとはいうものの、充実した日々を過ごしていることは間違いない。私にとって、忙しいことは幸せである証拠なのだと思っている。

 まもなくゴールデンウィークに突入するわけだが、毎年ゴールデンウィークにはなんらかの競技会があり、ゴールデンウィークでゆったり過ごせたことがない。今年も、5月2日~5日にかけて競技会4連チャン、6日も練習と、休みといえる休みは全く取れない状況だ。今年のゴールデンウィークも愛する陸上競技にどっぷり浸かることのできるのだが、さすがに1日くらいはゆったりしないなとぼやきたくもなる。

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新たなシーズンへ

 4月になった。年度も2009年になり、トラック&フィールドも新たなシーズンを迎えることになる。

 このシーズンは教え子の指導に専念すると心に決めている。昨年は何かと忙しく、専念とまでにはいかなかったのだ。

 教え子たちは厳しい冬季シーズンを乗り越え、着実に力をつけている。あとはそれを「パフォーマンス」として変換するだけである。

 ただ・・・、これがなかなか難しいのだ。

 つけて力を「パフォーマンス」へ適切に変換させるには、厳しい冬季シーズンを乗り越えて力をつけたという「自信」と、その力を引き出すための「テクニック」が必要になるだろう。

 まさに「心技体」のバランスである。

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神がかり的な勝負強さ

 2009年3月24日(アメリカ時間では23日)、ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われた第2回WBC決勝戦において、日本代表は韓国代表を5対3で降し見事連覇を達成した。

 アジアチーム同士による緊迫した攻防に終止符を打ったのは、孤高のバットマン、イチローの一振りだった。

 今大会、周囲から絶大の期待を背負ったイチローであったが、今大会彼は不振を極めていた。打球が外野に飛ばない、好機での凡退、バント失敗。日本では「イチロー限界説」についての記事が書かれる写真週刊誌が出ていたほどであった。

 イチローが調子を上げ始めたのは、2次ラウンド敗者復活戦のキューバ戦からだといっていいだろう。ここの3打席目で痛恨のバント失敗をしたイチローであったが、4打席目でライト前安打を、5打席目では156キロの直球を完璧にとらえる3塁打を放った。この一戦で、チームそしてイチロー自身が地獄から天国へ這いあがった。

 そして決勝戦の延長10回、2アウト2・3塁のチャンス。それまで5打数3安打と絶好調で打席に立ったイチローは、2ボール・2ストライクの8球目でセンター前の2点適時打を放ち、優勝を引き寄せた。ここぞという時に打席が回り、そして結果を残す勝負強さはまさに神がかりといっていい。

 今大会、イチローは試合後に多くのコメントを残してきた。
 「3打席目のバント失敗で、ほぼ折れかけていた心がさらに折れて僕だけキューバのユニホームに見えて…。4打席目は流れ的に厳しい状況だなと感じながらのヒットだっただけに大きいと言えます。あの打席からようやくジャパンのユニホームを着たという感じでした」(敗者復活戦キューバ戦後のコメント)
 「もう苦しいところから始まって、苦しいが辛いになって、心が痛んで、最終的に笑顔になった」「ぼくは持ってますね。神が降りてきたという感じ。日本中のみんなが注目しているだろうと思って、自分の中で実況して、結果が出ないものですが、それで結果が出て壁を越えたと思います」「支えてくれているのはみんなだっていうことは、分かっていた。支えてくれてありがとう。チームメートがつないでくれるっていうのは、すてきですね」(決勝戦後のコメント)
 これらからは、「人間味あふれるイチロー」を垣間見た気がした。

 さて、WBCは終わったが、まもなくメジャーリーグが開幕する。今季イチローは3086安打の日本人最多安打新記録、そして9年連続200本安打のメジャー新記録に挑戦する。前者はシーズン序盤に間違いなく達成するであろうが、後者は前人未到の記録である。道のりは長く険しいだろう。しかし今大会で1つ壁を越えたイチローなら必ずやってのけてくれるはずである。

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感謝の気持ち

 今、卒業式シーズンの真っただ中である。

 私は一昨日、とある中学校の卒業式に参加した。私が中学校を卒業したのはずいぶん前のことになる。私自身が経験した卒業式はまさに「形式ばった卒業式」であったと言っていい。ところが、一昨日行った学校の卒業式はそういう形式ばったものではなかったのだ。

 特に印象に残ったのは、一般的に「答辞」といわれる場面、そこの卒業生による合唱の伴奏中に起きた出来事だった。伴奏中に卒業生が1人ずつワイヤレスマイクを持ち、お世話になった先生たちに感謝の言葉を口にし始めたのだ。しかも元々用意されていた文章を読むのではなくて、その瞬間の彼ら自身の言葉を口にしているようだった。泣きながら話す女子もいた。この場面を見て、私はとても温かい気持ちになった。

 形式ばった卒業式しか経験していない私にとって、この場面はとても新鮮だった。なんか学園ドラマの卒業式に参加したような感じだった。

 こういう場面を目の当たりにすると、私自身も「感謝」ということを考える。私もこれまで多くの人々に支えられてここまでやってこれた。家族・友人・恩師・教え子たち・地域の人々など、その数はとてもじゃないが数え切れない。

 これまで支えてきてくれた多くの人々への感謝の気持ちを再認識させてくれた1日であった。

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世界一への第一歩

ついに始まった第2回ワールド・ベースボール・クラシック。

日本代表は3月5日、1次ラウンドA組1回戦で中国代表と対戦、4対0の完封勝利を飾り、3月7日におこなわれる2回戦進出を決めた。

日本代表は、ダルビッシュ→涌井→山口→田中→馬原→藤川の投手リレーで、中国打線を完全に封じ込めた。日本投手陣は順風満帆と言っていいだろう。

一方で打撃陣は課題の残る結果となった。4点はとったが、安打数はわずか5。4回以降はたった1安打と完全に押さえ込まれてしまった。
打撃陣の不振の代表格となっているのが、日本が誇る安打製造機イチローである。今回は5打数ノーヒット。三振はなかったものの、打球は1度も外野へは飛んでいない。イチローはまだ暗いトンネルから抜け出せないでいる。
ただイチローがスロースターターであるのはよく知られている。私的には、アメリカでの2次ラウンド以降から大暴れしてくれれば十分と思っているのだが・・・。

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復帰

 今週月曜日から本業に復帰した。月曜・火曜あたりは8割方の回復だったのだが、今では完全に立ち直った。
 療養期間が1週間という風邪は私にとって近年珍しいことだった。ただ、これで当分風邪をこじらせることはないだろう(笑)まぁこれから忙しくなるので風邪なんかひいてられないのでが・・・。

 実は風邪をこじらせる前にSONYのウォークマンを購入した。メモリータイプの16GBのものを購入したので、かなりのデータを入れられる。すでに曲を400以上入れたのだが、これからまだまだ増えていきそうだ。

 音楽は私にとって大切な要素だ。陸上に携わっているとき、また作業しているときは必ずと言っていいほど私の心には音楽が流れている。
 これからは私のお気に入りの音楽たちをここで少しずつ紹介していけたらと思う。

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