日本女子短距離界の新時代
2009年6月7日。この日鳥取県立布勢総合運動公園で行われた布勢リレーカーニバルの女子100mで、福島千里(北海道ハイテクAC)が予選は11秒28、決勝では11秒24と日本新記録を連発し、今年8月にベルリンで行われる世界選手権参加標準記録Aを突破した。
私は早くから福島に注目していた。たまたま読んだ陸上競技専門誌に彼女の記事が写真付きで掲載されていたのだ。その時彼女は高校2年生。彼女の走りを直接見たこともなかったのだが、その記事に載っている彼女の走っている姿を見て、いい動きをしている「予感」がしたのだ。
だが、その頃は同い年の高橋萌木子(平成国際大学)が日本高校女子短距離界のスーパースターであった。史上初のインターハイ女子100m3連覇、そして100m・200mの両方で日本ジュニア記録・日本高校記録更新。福島は高校時代、高橋に全く歯が立たなかった。
そんな2人の立場が逆転し始めたのは2008年からのこと。福島は4月28日に開催された織田記念女子100mで日本タイ記録となる11秒36をマークし、北京オリンピックの参加標準記録Bを突破した。以後も日本選手権と南部記念でそれぞれ女子100mを制し、女子100mとして実に56年ぶりのオリンピック代表に選出された。オリンピックは1次予選敗退に終わったが、その後もスーパー陸上の女子100mを制し、充実したシーズンを送った。
2009年に入っても、福島の勢いは止まらない。5月3日に開催された静岡国際女子200mで23秒12の日本新記録を樹立。そして6月7日の布施リレーカーニバルでの100m日本新記録樹立へと繋がる。
ただ、立場が逆転されたとはいえ、高橋も黙っているわけではない。福島が日本記録を樹立している裏で、高橋も好記録を連発しているのだ。2009年静岡国際女子200mでは、後半怒涛の追い上げを見せて23秒13をマークして福島に肉薄。2009年布施リレーカーニバル100m決勝でも、後半怒涛の追い上げを見せて11秒32をマーク、世界選手権参加標準記録Bを突破した。高橋の記録も以前の日本記録を更新している。
福島千里と高橋萌木子。2人は若くして、日本女子短距離界を牽引している。日本女子短距離界は男子と比べて世界トップレベルに全く太刀打ちできていなかった。この2人の活躍は、日本女子短距離界が世界トップレベルに近づけるかの大きなポイントとなるだろう。2人が大きな故障をせず、順調に行ってくれることを祈るばかりである。
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